国際結婚と配偶者ビザの重要性
国際結婚は年々増加傾向にあります。しかし、日本人と外国人が結婚したからといって、自動的に日本で一緒に暮らせるわけではありません。外国籍の配偶者が日本に滞在するためには、「日本人の配偶者等」という在留資格、いわゆる配偶者ビザを取得する必要があります。
配偶者ビザは、婚姻の真実性や生活の安定性を厳しく審査されるため、正しい理解と事前準備が欠かせません。
配偶者ビザの取得要件
入管が配偶者ビザを審査する際には、大きく以下の点が重視されます。
- 婚姻の真実性
形式的な結婚(偽装婚姻)でないことを証明する必要があります。交際歴や出会いの経緯、交際を裏付ける写真や連絡記録などが重視されます。 - 生活基盤の安定性
日本で生活できるだけの経済力があるかが重要です。就労先や収入証明、住居の確保が求められます。 - 素行・在留歴の適法性
過去の在留資格違反や素行不良がある場合、ビザ取得は難しくなります。
必要書類の一覧
配偶者ビザの申請に必要な書類は、状況によって異なりますが、代表的なものは以下の通りです。
- 婚姻届受理証明書(日本で婚姻届を提出した場合)
- 戸籍謄本(日本人配偶者側)
- 住民票
- 収入証明書(源泉徴収票や課税証明書)
- 雇用証明書または事業内容説明資料(自営業者の場合)
- 写真(交際期間を示すもの、結婚式や日常の様子など)
- 連絡記録(メール・SNS・通話履歴など)
書類は「形式」だけでなく「中身」が問われます。矛盾や不足があると、審査が長引いたり不許可となる可能性があります。
申請の流れ
- 婚姻届の提出(日本または相手国で手続き)
- 必要書類の収集(日本人側・外国人側双方)
- 入管への在留資格認定証明書交付申請(海外在住の場合)
- 日本に在留中であれば、在留資格変更許可申請
- 許可後、在留カード交付
審査期間は通常1〜3か月程度ですが、内容によっては半年以上かかることもあります。
不許可になりやすい事例
配偶者ビザは、不許可事例も少なくありません。典型的なものを挙げます。
- 交際期間が極端に短い(数週間〜数か月で婚姻)
- 収入が不安定(アルバイトのみ、無職、貯金がほとんどない)
- 提出書類に不備がある(写真不足、経緯説明が曖昧)
- 過去に在留資格違反歴がある
不許可を避けるための改善策
- 出会いから結婚に至る経緯を詳細に理由書にまとめる
- 写真やLINE・メール履歴など、交際の実態を示す証拠を十分に用意する
- 日本人配偶者の収入証明を整え、場合によっては保証人を設定する
- 行政書士のサポートを受けて、書類の漏れや不備を防ぐ
行政書士ができること
行政書士は、配偶者ビザの申請書作成や理由書の作成、必要書類の整理をサポートします。専門家の関与により、書類の完成度を高めることで不許可リスクを減らせます。また、万一不許可となった場合の再申請についても、改善点を整理し戦略を立てることが可能です。
まとめ:安心して新しい生活を始めるために
国際結婚の第一歩は「配偶者ビザ」の取得から始まります。正しい準備と制度理解が、新しい生活をスムーズにスタートさせるカギです。
当事務所では、国際結婚・配偶者ビザの相談を無料で受け付けています。



