2025/8/10

離婚したい。でも、どう進めればいいかわからなかった私へ

「離婚したい。」
そう思った瞬間から、心の中に重くのしかかるものがありました。
しかし、それは“自由”や“解放感”ではなく、どう進めればいいのかわからない不安でした。
 
◆ 気持ちと現実のあいだで
私がご相談を受ける中で、「離婚を決意したけれど、手続きや流れが全くわからない」という声はとても多く聞かれます。
感情の整理と同時に、生活・お金・子どものことが一気に押し寄せてくる。
それはまるで、大きな波に飲み込まれるような感覚です。
ある方はこうおっしゃいました。
「離婚届を書くだけで終わると思っていました。でも、養育費や親権のこと、財産のこと…こんなにたくさん決めることがあるなんて。」
 
◆ 最初に押さえるべき3つのポイント
離婚を考えるとき、感情が先に立つのは自然なことです。
ですが、少し落ち着いて、次の3つだけは最初に整理してほしいと思います。
1. 離婚の種類を知る
 日本には「協議離婚」「調停離婚」「裁判離婚」の3つの方法があります。
 多くは協議離婚ですが、話し合いがまとまらなければ調停や裁判に進みます。
2. 子どもに関する取り決め
 親権、養育費、面会交流の条件は、後々の生活に直結します。
 口約束ではなく、必ず書面(合意書)に残すことが大切です。
3. お金と財産の整理
 財産分与や慰謝料の有無、年金分割など、手続きや必要書類を早めに把握しておくと、交渉がスムーズになります。
 
◆ 書類は“証拠”であり“安心材料”でもある
離婚に関する合意は、口頭だけでは法的拘束力が弱く、後で「言った・言わない」の争いになりがちです。
そこで役立つのが、公正証書や離婚協議書です。
これらは、
• 養育費の未払いがあった場合に強制執行できる
• 約束が形として残ることで安心感が得られる
といったメリットがあります。
「書類なんて堅苦しい」と感じる方もいますが、実は“将来のトラブル予防”という意味で非常に重要です。
 
◆ 男性支援者として感じること
私は男性の行政書士として、女性からの離婚相談を数多く受けてきました。
自分自身が同じ立場を経験したわけではありませんが、第三者だからこそ冷静に整理し、必要な情報を中立的に提供できると感じています。
相談者の方は、感情と現実の間で揺れ動いています。
その中で、
• どんな選択肢があるか
• どの手続きをいつすべきか
• 何を準備すれば不利にならないか
を、ひとつひとつ確認していくことが大切です。
 
◆ 「まずは話す」から始めてほしい
離婚の進め方は、状況や相手の反応によって大きく変わります。
ネットに情報は溢れていますが、それらはあなたの事情に完全には当てはまりません。
だからこそ、早い段階で専門家に話してみることをおすすめします。
• 離婚の流れを整理できる
• 必要な書類や準備が明確になる
• 感情的なやり取りを避けられる
これらは、精神的な負担を大きく軽減してくれます。
 
◆ 最後に
離婚は、ゴールではなく新しい生活のスタートです。
そのスタートを少しでも安心して切るために、情報と準備は欠かせません。
そして、どんな状況でも**「あなたの味方になれる人はいる」**ということを忘れないでください。
もし今、迷いや不安を抱えているなら、まずは短いメッセージからでも構いません。
声を出すことで、必ず何かが変わり始めます。