2025/8/11

起業したい。でも契約書とか無理…と思った私が学んだこと

◆ アイデアはある。でも、書類がこわい
「起業したいんです。でも、契約書とか無理です…。」
この言葉は、起業を考える女性の相談でよく耳にします。
アイデアや情熱はあっても、契約や法務のことになると途端に足が止まってしまう。
「何を書けばいいの?」「間違えたら大変なことになるのでは?」そんな不安が先に立つからです。
実際、ある相談者の方もそうでした。
ハンドメイド作品のネット販売で手ごたえを感じ、法人化も視野に入れていたけれど、仕入先や販売先との契約が必要だと言われて頭が真っ白になったそうです。
 
◆ 契約書は“武器”にも“防具”にもなる
起業すると、契約書にサインをする場面や自分で作成する場面が必ず訪れます。
契約書はただの形式的な紙ではなく、ビジネスを守る防具であり、信頼を得るための武器です。
• 支払い条件や納期を明確にすることで、トラブルを防ぐ
• 万一の損害やキャンセル時のルールを事前に決められる
• 口約束ではなく、証拠として残る
相談者の方は、「契約書は相手を信用していないから作るもの」という思い込みがありました。
しかし実際は、**お互いの信頼を保つための“確認書”**でもあるのです。
 
◆ 難しい用語はかみ砕けば怖くない
契約書には「債務不履行」「解除条件」など耳慣れない言葉が並びます。
専門用語が多いと、それだけで拒否反応が出てしまうのも無理はありません。
そこで私が行ったのは、契約書の内容をシンプルな言葉に置き換えて説明することでした。
• 「債務不履行」=約束を守らなかったとき
• 「解除条件」=契約をやめるためのルール
• 「損害賠償」=損失があった場合に補償する約束
相談者の方は、「意味さえわかれば怖くない」と少し安心された様子でした。
 
◆ テンプレートは“参考”に、最後は自分仕様に
ネット上には契約書のテンプレートが数多くあります。
しかし、それらをそのまま使うと、ビジネスモデルや取引条件に合わない場合があります。
• 自分の商品・サービスの特性
• 取引相手との関係性
• 実際の業務の流れ
これらに合わせて調整することが、契約書を“自分のもの”にする第一歩です。
専門家と一緒に見直すことで、抜け漏れやリスクを減らすことができます。
 
◆ 男性支援者として伝えたいこと
私は男性行政書士として、女性起業家や起業希望者のサポートをしてきました。
ビジネスにおける法務の壁は、性別に関係なく誰もがぶつかるものですが、
女性の場合は特に「法律のことは苦手」と感じる傾向が強いように思います。
そんなとき大切なのは、**「全部を自分で完璧にしようとしないこと」**です。
専門的な部分は任せて、自分は商品やサービスづくり、顧客との関係構築に集中する。
それが、起業を成功させるための現実的な戦い方です。
 
◆ 最初の一歩は、小さくてもいい
契約書づくりも法務管理も、いきなり完璧にする必要はありません。
まずは自分の事業に関係する契約書を1つ取り出して、内容を理解することから始めましょう。
それだけでも、トラブルを防ぐ確率はぐっと上がります。
相談者の方も、小さなステップから始めて、自分なりの契約書フォーマットを完成させました。
今では取引先から「しっかりしている」と評価されるまでになっています。
 
◆ 最後に
「契約書とか無理…」と思っていた彼女が学んだのは、
**契約書は“ビジネスを前に進めるための味方”**だということです。
もしあなたも同じような不安を抱えているなら、まずは話してみませんか。
必要なのは、知識ではなく、一緒に考えてくれるパートナーです。